原付ツーリング紀行1996SUMMER
トーホグ編

この本はカダフィ企画の本Vol.174「ツーリング道中記’96」の内容に加筆・修正した物です。

「プロローグ」(本より抜粋)

「お、今年の夏コミは8/3.4か。」
「お、会社の盆休みは8/14−18か。」
「よし、ツーリングに行こう!!作戦目標は東北!!

今回の本はそんな風にして行ってまいりました東北原付ツーリングの紀行本です。
普段のカダフィ企画とは一風変わった内容になっていますが、ぜひ御一読の程をお願いします。


8/14(水)[1日目]
浜松→沼津→御殿場→厚木→
八王子→川越→春日部→宇都宮→郡山

午前5時起床。前日、夜中の12時過ぎまで残業であった為ものすごく眠い。ちなみに自分は夏コミ終了後、出発前日まで連チャンで会社に行っている。何が言いたいかわかるね。(泣)
しかしここは一発念彼観音力力走!前日のうちに用意した荷物をJOG50アプリオ「カラヤ=アイン」に載せ、6時出発。一路R1を東へ。
天候は曇りであったが、後々こいつに泣かされる事になる。8時過ぎに静岡を通過し、9時前には「道の駅・富士川」に到着。ここで遂に雨がパラついて来やがった。(「ここでレインコート着とけば・・・」本人談)
雨が小降りだったので、そのまま走行再開。箱根を避ける為に沼津よりR246に入り、御殿場回りで神奈川へ抜ける事にする。(原付じゃあ箱根の急坂はノロノロ運転になるだよ・・・)ところが、途中2回も雨に降られ、御殿場のガード下で雨宿りを余儀なくされる。思わず、「本降りになって出て行く雨宿り」なんつー川柳を思い出してしまったが、ここはズブ濡れ状態でレインコートを着込み、神奈川県境へダッシュ!余談だが、R246の静岡県側は白バイがやたら多く、今回も2台ほど見かけてしまっている。2輪乗った人間ならばわかるだろう?白バイにケツに着かれる恐怖が・・・。
神奈川県内に入るとウソの様に天候が回復、厚木に来る頃には晴れ間も見え、快調に飛ばしつつR16へ。実はこの道路も白バイがやたらと多いのだよ、フッフッフッ・・・。
そのままR16を走り、横田基地を横目に走りながら「トップガン」のBGMを口ずさんでしまうという恥ずかしいマネをしてしまった。(原付でやるなっ!!)あんまし飛行機は飛んでいなかったが、UH−60「ブラックホーク」が超低空で飛び回っていたなあ。そのまましばらく走り、JR箱根ヶ崎駅前の古本屋(現存せず)で小休止。ツーリングでもそうだが、旅先での古本屋探しは旅行での楽しみの一つであり、時には思いも寄らぬ掘り出し物が見つかる場合も有るのだ。一種のお宝捜しである。で、我輩の探す本はというと、・・・フフフ、知りたいかね?(木亥 火暴)

R16を走り抜け、16時半春日部市(「クレヨンしんちゃん」の舞台)にてR4に入る。それにしてもR16はツーリングライダーが多い!やはり都心を迂回する為なんだろうか。(マトモにR1→R4なんてルートなんか取ったら都内突破だけで何時間かかるか。)
宇都宮市内でついに日が暮れ、たまたま見つけた「天下一品」にて晩メシ。この店はラーメンのチェーン店なのだが、とにかくラーメンがうまい!しかし浜松近辺で一番近い店っつーと、名古屋の上前津あたりまで行かんとならんのだな・・・。

(アップ時における追記。)
現在「天下一品」は浜松市内に1店営業しています。

後はお決まりの夜間大爆走。途中宇宙語を話す妙なオヤジの車にからまれて罵声を浴びせられるが、ロレツが回らない(飲酒運転か?)のとナマリがひどいのとでマトモに聞き取れず。何だったんだあのオヤジは・・・。まさか「電波」か?
何だかんだで郡山市内へ。郡山駅で野宿の予定だったが、夜間構内閉鎖(ホームレス対策か?昔は野宿できたんだが。)の為、一つ先の日和田駅でZZZ・・・。

本日の走行距離
540.8Km


8/15(水)[2日目]
郡山→福島→仙台→一ノ関→前沢

6時起床。掃除のおじさんに野宿禁止の旨を注意されるが、浜松から来た事を知るとお気を付けてと励まされた。どうもスビバセン。エンジンオイル補給後、荷物をまとめて出発。本宮あたりで雨が降ってきた為、仮眠を兼ねて小休止。8時過ぎに出発し、R4を福島市内に向かうが、何とこの日は東北地方に台風が!!福島盆地の手前で土砂降りとなり、

「ま、魔女のバアサンの
呪いか〜〜〜〜〜っ!!」
福島市内に入ると雨も小降りになり、冷えた体を温める為飯坂温泉の公衆浴場へ。2日ぶりのフロだぜ〜っ!!

画像と本文は特に関係ありません。
どうしても気になるという方はこの二人をカヲル君とシンジ君だと思って頂ければ
多少はマシになると思います。(木亥火暴)
それでもダメならピンクの妖精水野晴郎ちゃん…(口区口士)

天候も回復し、昼メシも喰って13時に出発。R4を仙台に向かう。が、台風の吹き返しがモロ横風となり、福島→白石までノロノロ運転をするはめに。ま、この辺は元々風の強い所なのだが。
途中、名取市内にて怪しげなカンバンを発見。


ではロマンスグレーのやさしい方を(←大バカヤロウ)

仙台を通過し、途中でメシ喰ったり入場券集めで駅行ったら道に迷ったりしたわで、一ノ関に着いたのが夜の8時過ぎ。一ノ関駅も夜間閉鎖になる事が判明し(おのれ、JR東日本)、3つ先のJR前沢駅にて野宿。見知らぬおじさんに缶コーヒーを頂く。ありがとうございました。

本日の走行距離
314.4Km


8/16(木)[3日目]
前沢→花巻→湯田→横手→真室川→戸沢村

5時半起床。歯を磨いてさあ出発!
朝メシにありつこうと思うも、こういう時に限ってコンビニすら見つからないのは毎度の事。そのままスキっ腹を抱えて走る事になり、結局JR村崎野薔薇の人…じゃなかった駅前の商店にてようやくパンにありつく。駅の待合室でパンをかじっていると、何と目の前にピンクハウス着た女の子が通ってた…。こいつは珍しい。
腹ごしらえの後、今回のツーリングの目的地である宮沢賢治関連の史跡巡りへ。まず、羅須地人協会跡に行く。「カラヤ=アイン」を停めて少し歩くのだが、これがとてもすばらしいロケーションで、写真で見て頂くと…
























やっぱやめた。
あの風景はなまじ写真に撮って見せるよか、現地へ行ってナマで見てもらった方がその素晴らしさを実感できます。根性のある方だけ自力で現地まで出向きましょう。
その後、宮沢賢治記念館へ向かうが、夏休みって事もあってかツーリングライダーの多い事多い事。しかし原付で浜松から来たのは自分だけだった。(当たり前だ!)開館まで時間が有ったので近くの公園(山道)をほっつき歩き、山頂の展望台から周囲の風景を眺め、「フフフ愚民共め…」と平口君モードに入る。
山道を下り、広場に出るがそこの名前が「ポランの広場」、はて、何かで聞いたような…あ、「ポニーテール白書」だ。(注・マッチョホモ劇画の巨匠・田亀源五郎先生の作品…ではなく、十数年前の「りぼん」に連載された水沢めぐみ先生の名作。最近文庫版も出たので読め!)
記念館に入って氏に関する資料や遺稿などの展示物を見て回る。感想は陳腐になるかもしれないが、「(世に出るのが)早すぎたな…。」しかしこの人、ものすごい悪筆だったんだなあ。


「宮沢賢治記念館」

本当は隣接のイーハトーブ館にも行きたかったのだが、今日中にもう一つの目的地である山形の親父の実家までたどり着かなければならなかったので、泣く泣く出発。R107を北上線沿いに走り、和賀仙人辺りから奥羽山脈へ。急に道が険しくなる。ペースガタ落ち!それでも「ほっとゆだ」駅にたどり着き、構内の温泉に入って復活。峠を越えて横手へ。実はこの峠越えの時、マジでクマ(ノォーッ!!)が出てこないかと内心ビクついていた。(「週刊少年ジャンプ」で「銀牙〜流れ星銀」を読んだ者にとっては奥羽山脈はクマ(素敵よォ!お客さーん!!)の巣窟というイメージが強いのだ。何か違ったかな?)
横手からは、R13を南下して雄勝峠から山形県へ。

田舎じゃあ!田舎じゃあああ!!

真室川町内で軽くメシを喰ってから新庄市内に入ると、升形付近で目的地の最上郡戸沢村方向に真っ黒な雲がかかっているのに気付くが、「ま、いっか。」とそのまま走っていったのがいけなかった。
程なくして大雨!!途中には雨宿りの場所も無く、目的地までの9Kmを雨中大爆走!!おかげで全身ずぶ濡れ、装備もずぶ濡れ、「カラヤ=アイン」の小物入れに突っ込んでいた「東北ロードマップ」は捨てられたエロ本状態に!ま、魔女のバアサンの呪いか〜〜〜っ!!何とか目的地にたどり着いてフロに入れてもらった上、まだ帰省中だった親父と巨人戦観ながらビール飲んで、久々のフトンで寝る。ひっくしょい!

本日の走行距離
246.2Km


8/17(土)[4日目]
戸沢村→鶴岡→新発田→新津→長岡
→十日町→津南→長野

7時起床。エンジンオイル2度目の補給の後に出発。前日の雨で乾いていなかったGパンはまだ乾いていなかったが、替えが無いのでそのまま履いてしまう。帰りは行きと違って日本海側から長野・名古屋ルートで帰る事に。(単純往復ではつまらんからの〜)
やっぱり海沿いは眺めがええのー。ただし一ヶ所だけ例外が。それは温海町の某海岸で、そこには数年前に座礁してそのまま放置されたロスケの貨物船が赤サビた姿を波打ち際にさらしていた。(前にNHKでもやってたな。何でも、地元が自腹切って解体するとか。どうにかなんねえもんかい。)沿道は季節柄キャンパーや海水浴客が多く、あちこちでRV車がテント張っていた。わしも若い頃は毎朝のように…(ボケッ!!)

新潟平野に入るとさすがに走りは単調、田園風景の中をひたすら飛ばし、長岡に着いたのは16時頃。意外と時間がかかるものである。ここからは小千谷→信濃川沿いのルートで長野へ向かう。十日町で晩メシを喰うともはや夜、夜間大爆走モードに突入。8月とは言え、さすがに長野の夜は冷える。体が冷えてきた所で、JR津南駅にて併設の温泉に入る。ん〜気持ちええの〜。フロ上がりに「カラヤ=アイン」のナンバープレートを見た人から「よく来たねえ」と声を掛けられる。確かにスクーターでは珍しいか。出発時、ガソリンが残り少ないのに気付いて、この時間この先では開いてるスタンド見つからんかもなと思い、たまたますぐ見つかったスタンドにて給油して走行再開。

飯山市あたりを走っていると、突如鼻を突く香ばしい悪臭が。前のトラックを良く見ると、荷台には山と積まれた黄金もとい堆肥

おおう、トレビア〜ン!!(爆)

走りに走って長野市郊外までたどり着き、休憩を兼ねて冷えた体で本屋に入ったが、店内は冷房が効きまくっていた為、その時の自分の心境を理解されたい。(泣)
長野駅に着いたが、ここも夜間閉鎖となっている為(おのれ、JR東日本!)、2駅離れた三才駅にて野宿。

本日の走行距離
463.6Km


8/18(日)[5日目]
長野→松本→中津川→名古屋→浜松

6時起床。一路名古屋を目指し千曲川沿いに走る。9時に松本に到着、塩尻から木曽路を下る。ここは’95年の秋にも来た事が有るのだが、その時はあいにくの雨で、雨の中を名古屋までズブ濡れ状態でひた走った事を思い出した。が、本日は晴天、気分良く走る事が出来た。
余談だが途中で入ったドライブインの売店、運ちゃん向けにエロ本も置いてあるのはいいんだが、

食堂でス○トロ雑誌

ってえのはかなりヤバくないかい?(おばちゃんカレー一丁!←「ボケッ!」BLAM!!
道中は木曽路までは涼しかったのだが、中津川に近づく頃からじりじりと気温が上がり始め、濃尾平野に入る頃には「ううっ、クソ暑い!!」名古屋市内では車の流れが悪くなったが、こちらはスクーター、あまり影響を受けずに走れるので心強い。
名古屋市内での鶴舞・上前津の古本屋めぐりの後、R1を一路浜松へ。帰り道、「あ゛〜、明日からまた仕事か〜」と考えると本当に気が滅入って来る。あーヤダヤダ。
家に着いたのは22時過ぎ。荷物を片づけ、早々に寝る!

本日の走行距離
408.5Km

総走行距離
1973.5Km


「エピローグ」

*雨に打たれりゃすんげ〜冷える
野宿じゃ熟睡しづらいし。
スキッ腹抱える事もある。
*排ガス食らって顔まっ黒け
*長く乗ってりゃケツが痛む

さ〜て、今度はどこに行こうかな?

(でもこの年の秋はどこも行けなかったんだよ〜!)(泣)

以上、原付ツーリング紀行1996SUMMER



戻るのじゃああああ!
表紙へ戻る。
inserted by FC2 system